Vipassana Life

<ヴィパッサナーライフ>数年前から、S.N.ゴエンカ氏のヴィパッサナー瞑想を始めました。

京都でヴィパッサナー瞑想:1日10時間、10日間

By 16:29:00

Vipassana Meditation Center (Kyoto , Japan) Dhamma Bhanu


私が初めてコースを受けたヴィパッサナー瞑想センターが、
京都のダンマバーヌ<Dhamma Bhanu>です。

暖かい季節になると、
木々の緑にかこまれた豊かな自然が
とても美しく、いやされます。

以前、撮影した写真を探しても見当たらず、
今度訪れるときに、たくさん写真を撮ろうと思います。


■ヴィパッサナー瞑想を知ったきっかけ

ヴィパッサナー瞑想を知ったのは、
知人から教えてもらった事がきっかけでした。

ふつうに世間話をしていたのですが、
たまたま話が、スピリチュアルや瞑想の話になり、
その知人が瞑想をしている事が判明。

見た目は、瞑想とかしている人には見えなかったため、
少し驚きました。
京都に、瞑想を指導してくれる合宿施設があるとの事で、
とても興味を引かれたのですが、同時に不安な点もありました。


■コースを参加するにあたり不安な点

その不安な点というのは、「日本ヴィパッサナー協会」が、
閉鎖された宗教的団体だったらどうしようという点。

そして、コースに参加している間、
外部とは一切連絡をとることはできませんので、
洗脳とかされたらどうしようと思いました。

今、考えると笑ってしまうような事ですが、
その当時は、「ヴィパッサナー瞑想」という言葉も
初めて聞いたばかりで、まわりで教えてくれた知人以外では
瞑想コースに参加した人がおらず、情報も少なかったために、
そのような疑問を抱きました。


■mixiのコミュニティで調べる

話を聞いて、すぐにコースに申し込むことはせずに、
インターネットで問題がないかどうか調べました。

ソーシャル・ネットワーキング・サービスのmixiで、
「ヴィパッサナー瞑想」のコミュニティが存在し、
その当時で、4000人以上の参加者がいました。

このコミュニティの書き込みを読んでみて、
ヴィパッサナー瞑想を指導する団体もいくつかあり、
その団体によって違いがある事を知りました。

そして、多くの人が、ゴエンカ氏のヴィパッサナー瞑想を
オススメしていました。

コースに参加した感想のトピックもあり、
その書き込みをした何人かのページにアクセス、
マイミクの紹介文を読み、特殊な人ではなく
ごくごくふつうの一般人が参加している事が分かりました。


■ダンマという言葉の意味

日本ヴィパッサナー協会のHPで使用されている
「ダンマ」という言葉に、特殊な宗教用語のような匂いを
感じたのですが、調べてみますと一般的な仏教で言われる法を、
インドの昔の言語、サンスクリット語では、ダルマ(dhárma)と言い、
パーリ語では、 ダンマ(dhamma)と言う事が分かりました。

ダンマについての説明として、
本の「ゴエンカ氏のヴィパッサナー瞑想入門(春秋社)」の中で、
「現象。心の対象物。自然。自然の法則」と説明されています。


■だるまさんの語源

ちなみに「だるまさんがころんだ」の「だるま」、
祈願を願う赤いだるまは、
インド人仏教僧の菩提達磨(ぼだいだるま)の坐禅姿がモデル。
菩提達磨の語源の「達磨(だるま)」とは、サンスクリット語のダルマ。

京都の瞑想センター、ダンマバーヌの「バーヌ」とは、
暁光(明け方の空の光)という意味だそうです。


■インドの昔の言語が語源の日本語

ダルマ=ダンマ以外にも、現在の日本語で語源をさかのぼると
インドの昔の言語につながるものがあります。

「旦那様」の「だんな」の語源は、
パーリ語の「ダーナ(dana)」与えるという意味。
与えるという意味の言葉が、なぜ「旦那」として
使われるようになったのか調べてみたのですが、 
「旦那」とは、昔は「檀那」という漢字で、
「檀那」は、寺院に布施をする人のことを指していたようです。

その言葉が一般にも広まり、面倒をみてくれる人や
お金をだしてくれる人という広い意味で、
商人がお客さんを呼ぶ時や、妻が夫を呼ぶ時に
「旦那様」として使用されるようになったそうです。

■洗脳の可能性

洗脳の可能性については、そもそもコースの開始から
最終日の午前中まで人と話すことが禁じられており、
沈黙を守ることが求められます。

ですので、話もできないので、
誰かから洗脳される手段も心配もありません。


■ほとんどの参加者は、無宗教

仏教徒でなくても参加することができます。
私も含めてほとんどの参加者は、
何の宗教にも入っていない方が多かったです。

ヴィパッサナーは宗教ではありませんので、
キリスト教徒の方でも、もちろん参加できます。
ただし、コース中は、祈祷、礼拝、宗教儀式、
マントラなどは禁止されているようです。


■1日10時間、10日間も続けられるのだろうか?

日本ヴィパッサナー協会及び、ゴエンカ氏のヴィパッサナー瞑想が、
怪しげな団体や宗教ではなく、
問題がなさそうなことは分かったのですが、
次に、1日10時間も瞑想をして10日間も続けられるのだろうか?

最後までやれるだろうか?
途中で挫折する人はいないのだろうか?
という心配がありました。

この点についても、mixiの書き込みから、
一般人のコース参加者が最後まで挫折せずにコースを
無事終了しているようでしたので
なんとかがんばってみようと思いました。


■いざ、参加申し込み

コース参加前の不安点が解消され、
ネットから参加申し込みをしたのが、
知人から話を聞いて、1ケ月くらい経ってからでした。

いざ、申し込むとすでに参加者の定員が埋まっており、
キャンセル待ちが6人いる状態。
ガビーン!!という感じです。

あれこれ、調べるのに時間をかけずに、
コースを申し込んでおけば良かったと悔やみました。

それでも希望を捨てず、キャンセルが出て、
コースに参加できるかもしれないと思い、
コース当日までギリギリまで待ちました。

キャンセル待ちが6人いたのですが、当日に急に
キャンセルが出た場合は、連絡を受けてすぐに京都にかけつけ
参加できる人はいないだろうと予想し、
荷造りも済ませて家で待機していました。

結局コースの初日になっても、キャンセルは一人も出ずに、
その時は残念ながらコースに参加する事ができませんでした。

今度は確実に参加できる2ケ月後のコースを申し込み、
その関係で、転職先の仕事の開始日を遅らせてもらう事にしました。
転職先の社長には、「京都に座禅の修業に行ってきます」と
理由をお伝えし、社長は快く笑って承諾してくれました。

その後、申し込んだコースに無事に参加する事ができました。
一度申し込んで、キャンセル待ちで参加できなかっただけに、
京都に着き、ダンマバーヌまでの道中は、
近づくたびに期待が高まっていきました。


■コースに参加してみて感じたこと

コースでの瞑想体験については、コース参加前に
変な先入観を持たれてしまうとかえってよくありませんので、
私はあまり人に話さないようにしていますが、
余計な先入観を抱かない程度に少しお話します。

毎朝、4時に起きられるかどうか心配だったのですが、
起床の鐘が鳴りますので、大丈夫でした。
目覚まし時計もいりません。

コースでは、初めの3日間は、
自分の鼻の呼吸を観察する瞑想(アーナパーナ)をして、
4日目以降、自分の体の感覚を観察する瞑想(ヴィパッサナー)に移ります。

コースに参加し、実際に瞑想をしてみて感じた事ですが、
何もせずボーっと座っているだけの瞑想ではなく、
呼吸や感覚を観察する瞑想であるために、
集中しやすく、1日10時間、10日間の瞑想を続けることができました。

時に体が痛くなることもありましたが、
他の参加者も全員が忍耐強く瞑想をされておりますので、
励みになりました。

何らかの事情で足を組んだり
あぐらの状態で瞑想ができない方のために
ふつうのイスが用意されており、
イスを使用される方は、後ろの方で
瞑想をされていました。

コース参加前は、ちょっとでも動くと、
後ろから棒で叩かれたりするのかなと
思っていたのですが(笑)そんな事はありません。
指導者も棒など持っていません(笑)


■沈黙を守るというルール

人と話をせず沈黙を守るというルールは、とても良いことが、
コースに参加してみて分かりました。

瞑想をしている時、昔、誰かと話した内容が雑念として
浮かぶ事がありました。

コース中に、もし人と話すことが許されたなら、
瞑想どころではなく、休み時間のおしゃべりが瞑想中に
次々と浮かんで瞑想に集中できないと思います。

何か困ったことがあれば、瞑想に関しては、
お昼の休み時間などにアシスタント指導者に、
そして瞑想以外の事で困った事があった場合は、
奉仕者のコースマネージャーに
相談する事ができます。


■どうして10日間も日数が必要なのか?

参加する前は、どうして10日間も日数が
必要なのだろうと思っていました。

コースが終了して分かった事ですが、
この10日間というのがちょうど良い日数であると感じました。

まず、1日目〜3日目まで、
鼻の呼吸を観察するアーナパーナ瞑想をし、
4日目の午後にヴィパッサナー瞑想のレクチャーを受けます。

5日目、6日目、7日目と日を追うごとに
ヴィパッサナー瞑想のレクチャーの内容も
少しづつ進展していきます。

10日目には、沈黙を守ることは解除され、
他の参加者とお話をすることができます。

ほとんどの人は、コースに初めて参加した人で、
私と同じように知人、友人から教えてもらったようです。

ヴィパッサナー瞑想自体を集中して行えるのは、
実質5〜6日しかありません。

コースを終えてみると、10日間がかなり早く過ぎていき、
人によっては、もう少し日数がほしいと思われる方もいると思います。


■指導者も奉仕者も全員がボランティア

コース中にも説明され、既に日本ヴィパッサナー協会のHPにも、
書かれてある事ですが、コースを指導する指導者は、
コース指導料などの金銭を受け取る事は
一切禁止されており、ヴィパッサナーとは関係なく、
他に仕事を持っているようです。

コースで食事などを作ったりする奉仕者も同様で、全員がボランティアです。
日本ヴィパッサナー協会の方で、ヴィパッサナーで生計を立てている人は
一人もいない事になります。
これは、コースが商業化されることを防ぐためのようです。


■コース参加費について

また、コース参加費は一切かからず、
食費は無償で提供される点が驚きました。

コースの10日目と最終日に、次のコースを受ける人のために
寄付を受け付けており、この寄付によって、
コースの運営費がまかなわれております。

ですので、誰も寄付しなければ、食事も提供できず
コースを運営することはできなくなると思います。

一度でもコースに参加した人しか寄付ができないために、
お金持ちの方でもコースに参加したことがなければ
寄付はできないと思われます。

寄付だけでなく、奉仕をされる方が誰もいなければ、
コースを開催する事ができません。
正直、このシステムでよく毎月コースが開催されているなあと思いました。

沈黙が解除される10日目に、様々な情報の掲示板が展示されるのですが、
コースに係る一人当たりの費用が掲示された時がありました。

私が予想していた金額よりも高かったです。
場合によっては、寄付金がうまく集まらず赤字のような状態に
なることもあるのではと心配してしまいました。

まだ一度も参加した事のない友人から、
いくらぐらい寄付すれば良いのか聞かれた事があったのですが、
誰かの寄付のおかげで、トイレ、シャワーのある施設で
コースを受けることができ、食事もできるのだと感謝の気持ちで、
コースを受講し、他の人にもヴィパッサナー瞑想のコースを
受けてもらいたいと思われたら、HPに書かれているように、
自分の出来る範囲内で次のコースを受ける方のために
寄付をされると良いと思います。

夜に録音された講話が流れるのですが、
その中で、他の人からの施しを受ける事も徳を培う要素に
なるというようなお話がありますので、
無償で宿泊し食事を与えられるという気持ちの方が良いと思います。

後で、参加費を払うという意識ですと、
人からの施しを受ける事にはならず
感謝の気持ちもわいてこないのではないでしょうか。


■ゴエンカ氏について

最後に、ゴエンカ氏(1924年生 - 2013年没)についてですが、
私は、てっきり、教祖的な人かミャンマーのお坊さんかと
思っていたのですが、
そうではなく、以前は実業家だったそうで、
ご自身が偏頭痛に苦しみ、治療法を探していたときに、
ヴィパッサナー瞑想を知り、コースを受けたとの事です。

レクチャーで、ゴエンカ氏の録音された英語も流れ、
同時通訳で日本語も流されるのですが、
ゴエンカ氏の声が、とても渋い印象的な声ですので、
私の中では、「渋い声のおっちゃん」というイメージです。

講話の内容も、所々にユーモアあふれる感じで、
コース前に抱いていたイメージと大きく違いました。

いつも笑顔でにこやかに笑っているような人
だったのではないかと思いました。


Links:
京都のダンマバーヌの良い点

ウィパッサナー瞑想とは

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